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    volume 27635
  •     谷中のランドマーク・ヒマラヤ杉の
    谷中のランドマーク・ヒマラヤ杉の"今"
    谷中ヒマラヤ杉(『みかどパン店』敷地内)
  •     Ian McEntire

    谷中のランドマーク的な存在として、長年、多くの人々に愛されている「みかどパン店」の軒先に立つヒマラヤ杉。その歴史は、今から95年前の昭和元(1926)年、この地にできた甘味処「みかど」の軒先に、店主が1本のヒマラヤ杉の鉢を置いたことからはじまりました。やがてこのヒマラヤ杉の根は、鉢を越えて根を大地へと伸ばし、やがて大木へと成長していくこととなります。

  •     Ian McEntire

    夏になると、周囲全体を囲むようにその葉を生い茂らせるヒマラヤ杉。甘味処「みかど」が、戦時下の食糧難により店を畳んだ後の1960年代、初代店主の孫娘がパンを売る「みかどパン店」として同店を再興し、地域の人々に愛されるパン店へと成長していく過程を見守るかのように立ち続けました。

  •     Ian McEntire

    しかし、このヒマラヤ杉、2019年に発生した台風で、大きな枝の1つが折れるという災難に見舞われます。

  •     Ian McEntire

    そしてその翌年にあたる2020年11月には、前年の台風による被害も考慮される形で、大幅な剪定が行われることとなりました。

  •     Ian McEntire

    この剪定作業により、かつて多くの人々に涼しげな木陰をもたらし、また、地域全体を見守るように生い茂っていた立派な幹は、その根元から何本も切断されました。

  •     Ian McEntire

    もちろん、上の方の枝ぶりが良い幹も、かなり落とされています。

  •     Ian McEntire

    このように姿を変えた後も、根元近くにはこのヒマラヤ杉が「景観重要樹木」「保護樹木」であることを定めたプレートが残されています。

  •     Ian McEntire

    ヒマラヤ杉の剪定により、かなりスッキリとした雰囲気になった「みかどパン店」。その変化ゆえのことなのか、どこか寂しげな空気が漂います。

  •     Ian McEntire

    とはいえ、店先には、「みかどパン店」の店主であるおばあさんが、欠かさずエサをあげている猫の姿が。ヒマラヤ杉とともに、周囲の景観が一変した今も、ゆったりと流れる彼らの時間とその日常に、変化はないようです。

  •     Ian McEntire

    かつては、夏に涼しげな木陰を作り出すだけではなく、冬には見事な雪化粧でめかしこむ日もあったヒマラヤ杉。四季折々に見せていたその魅力的な姿は、形を変えた今もなお、思い出と共に、多くの人々の心に残されているのではないでしょうか。