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  •     東京でアーティストが宿泊できるギャラリーがある!? gallery 201の魅力をお届け
    東京でアーティストが宿泊できるギャラリーがある!? gallery 201の魅力をお届け
    gallery 201
  •     池内

    皆さんこんにちは。本日はJR五反田駅から徒歩10分、北品川にある「gallery 201」をご紹介します。こちらはなんと、「アーティストが宿泊できるゲストハウス兼ギャラリー」とのこと。一体どんな場所なのでしょうか、期待が膨らみます……!閑静な住宅街を歩いていると、かわいらしいデザインのギャラリー看板が見えました!

  •     池内

    今回、gallery 201では写真家・山乃モトキさんが主宰するグループ展「utsukucii#2」(うつくしいツー)が開催中でした(11月13日から11月15日まで開催)。早速ですが、山乃さんからグループ展のコンセプトを伺いました。

    「令和元日になったときに、『平成は“かわいい”が正義だったけれど、令和は“美しい”で溢れてほしいな』という閃きがあったんですね。なので、新しい時代における美しさを再定義する展示を企画しました。『utsukucii』は2回目の開催なのですが、今回は社会課題についてより一層意識してます。出展者たちのなかには、障がい者やLGBTといった、普段周りにはいないと思い込んでいる人たちをテーマに取り上げている方もいます。廃棄素材を利用したサステイナブルファッションに挑まれた方もいます。社会課題について、アートというアプローチを使って話すきっかけを作る、そういった場所をデザインしたいと思い今回の展示を行いました」

    今回の取材では、展示作品紹介を通してギャラリー内の様子を写真でお届けしたいと思います。

  •     池内

    山乃モトキさん

    今回の展示ではシンプルに“メンズヌードの美しさ”を取り上げました。男性に対して美しいという言葉を当たり前に使える時代になったことを表現しました。自分は普段、フィルム写真で作品を制作しています。今では誰でも簡単に写真を加工できる時代ですが、そんな中で揺るぎないリアルさというものを、人間の身体性に託しています。なので、一般的なポートレートよりも複雑なポーズをしていたり、生身の人間の美しさが感じられたりするような写真を意識しています。このギャラリーでは何度も展示をしているのですが、お風呂場を使ったのは今回が初めてです。緑色のタイルが可愛くて、飾りの赤い造花ともマッチしました。水に写真を浮かべて展示するという発想も、この場所だからこそ生まれました。

  •     池内

    Alopecia Style Project Japan

    今回のテーマは「私は私である」です。脱毛症、抜毛症、乏毛症など様々な理由により髪を失った女性たちを撮影しました。これを機に、カミングアウトされた方もいらっしゃいます。「人と違う」という悩みを抱えてきた自分と、一歩を踏み出して「ありのまま」を受け入れる自分。それらを全部ひっくるめて、血液の色をイメージした赤をベースに、「生きている自分」を表現した写真を撮影しました。今回の展示では、女性の強さや情熱を感じられるような写真を選んでいます。展示にお越しいただいた方とお互いリラックスして会話ができたのは、友達のおうちに遊びにいく感覚で楽しめる、このギャラリーの雰囲気のおかげかもしれません。

  •     池内

    asatoさん

    今回製作したドレスは、素材屋さんからご提供いただいた、廃棄される予定だったレースを使用しています。サステイナブルファッションに元々興味があり、今回初挑戦しました。「本来捨てるべきもので、こんなにも綺麗なものが作れたぞ。やった!」という、喜びの気持ちが大きいですね。展示すると窓から射す太陽の光に照らされて、ドレスが本当に輝いて見えました。実は、このドレスは男女問わず、さまざまな体型の方が着られるつくりになっているんです。いろんな方がドレスを着てくださって、たくさんの笑顔を見せてくれました。それが、今回の展示で一番嬉しい瞬間でした。

  •     池内

    チヒロボさん

    自分で撮った写真をコラージュした、フォトコラージュを展示しました。すべての作品は「土地」をテーマにしているので、その土地で撮った写真だけでコラージュは構成されています。大学生の頃に写真を撮りはじめて、2010年からフォトコラージュを作るようになりました。これからも、作りたいものを作りまくりたいですね。自分のキーとなっているフォトコラージュはもちろん、デザインやドローイングといった、さまざまな“ものづくり”に挑戦したいです。マンション型ギャラリーは初めての利用でしたが、作品を吊るすワイヤーやディスプレイ台もあって、額装した作品も綺麗に展示できました。

  •     池内

    シブヤフォント(高橋 圭さん)

    「シブヤフォント」は、株式会社フクフクプラスが渋谷区から委託を受けた事業です。渋谷で暮らし、働く障がいのある人が描いた絵や数字を、渋谷の学生さんが誰でも使えるパブリックデータにデザインしました。作成した絵のパターンデータやフォントデータを企業に使っていただくと、そのライセンス費用は障がいのある方々へ還元されます。今回の展示では、商品化できたグッズや服などを用意しました。購入していただいた商品も障がいのある方への支援に繋がりますので、「シブヤフォント」は“貢献型デザイン”となっています。さまざまな企業様から、自分たちでは予想もできなかった活用法を提案してくださっているので、これからの「シブヤフォント」の広がりも楽しみにしています。

  •     池内

    江口 侑さん

    僕はシンガーソングライターをやっており、今回の展示で歌詞を“可視”できるようにしました。気軽に音楽が聴ける時代だからこそ、今の日本人は音楽における「詩」をあまり重要視する傾向にないと感じています。それは悪いことではないですが、少し寂しくも感じます。なので、部屋中に詩が飛び交っているインスタレーションを作成しました。11月16日(月)に『Echo』という楽曲を発売したのですが、その曲の歌詞を天井からぶらさげています。また、僕は歌詞を書くときは最初に物語を設定するのですが、その話をエッセイにしたものを、プロジェクターを使って部屋に投影しました。ベッドに寝転がりながら音楽とアートに包まれる体験は他のギャラリーではなかなか提供出来ないのではないでしょうか。

  •     池内

    コセリエ(ITO PROJECT) さん

    見えない繋がりを糸を使って形にする、ITO PROJECTの写真を出展しました。2010年から10年間、さまざまな場所で撮影をしてきた写真のなかから、ほんの一部ですが展示させてもらいました。設営が終わった時、糸がこれからも繋がり続けるイメージでリアルな赤い糸がgalleryの窓を飛び出したら面白いかも!?とオーナーに相談したら、快諾してくださり、糸を伝えるようにすぐに屋根を掃除してくれたのが嬉しかったです。

  •     池内

    最後に、ギャラリーオーナーである櫛田さんから、gallery 201をご紹介いただきました。

    gallery 201は2013年に「アーティストが宿泊できるギャラリー」としてオープンしました。地方や海外のアーティストさんが東京で個展をすると、宿泊費や交通費といったお金の問題がすごく大きいんですね。なので、「アーティストさんになるべく負担がかからないギャラリーにしたいな」という思いから、寝室があるマンションの一室をギャラリーにしました。マンションの室内にアート作品を展示しているので、「アートを飾る想像がしやすいです」というお声をいただくことが多いです。日本って、壁に絵を飾っているお家ってほとんどないと思うんですよ。一方で、海外だとシーズンによって何度も絵を変えたりします。日本のアートもそれぐらい身近なものになったらいいなという思いも込めて、ギャラリーを運営しています。国内のみならず、さまざまな国の才能あるアーティストさんたちの作品に触れて、心を豊かにしていただけると嬉しいです。

    取材にご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました!

INFORMATION

PLACEgallery 201

gallery 201
住所: 東京都品川区北品川6-2-10島津山ペアシティ201号室
営業時間: ギャラリー開放日につきましては公式ホームページをご確認ください
TEL: 03-3473-5222
HP: https://gallery201.jimdofree.com/
備考:

2020年12月25日掲載

展示のご相談につきましては、公式ホームページのお問い合わせフォームをご利用ください

PERSON池内

池内
asatoさんの製作されたドレスを着てみたら、とても素敵な気持ちになれました!来場者様の笑顔が溢れる、とっても素敵なギャラリーでした。