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    volume 18286
  •     リバーカウンターシステムにジュークボックス! 沼津にある喫茶店「どんぐり」は昭和レトロの楽園だった
    リバーカウンターシステムにジュークボックス! 沼津にある喫茶店「どんぐり」は昭和レトロの楽園だった
    どんぐり
  •     秋山悠紀

    伊豆半島の付け根に位置する静岡県沼津市。海の幸も山の幸も美味しいこの場所には、なんとも珍しいカオスな喫茶店があるんだとか。ということで、沼津にやってきた筆者。その喫茶店は、沼津駅前の中心商店街である「仲見世商店街」にあります。

  •     秋山悠紀

    こちらがウワサの喫茶店「どんぐり」。お蕎麦屋さんかと見間違えるほど、静かで落ち着いた佇まいをしています。ここが本当に、「カオスな喫茶店」なんでしょうか…?

  •     秋山悠紀

    こちらは店頭のメニュー。飲み物からパフェ、きしめん定食、お茶漬け、おでん、いそべ巻きなど、幅広い品ぞろえ。確かに喫茶店にしては変わったメニューですが、これだけではウワサにはなるまい。ということで店内に入ってみます。

  •     秋山悠紀

    なんでしょうか、この空間は! 席の前には水が流れており、その中を桶がどんぶらこ、どんぶらこと浮かんでいます。そしてそれぞれの席の前には浮世絵が飾られていて、店内に静かに響き渡る昭和歌謡曲。喫茶店と回転寿司と銭湯とディスコが混ざり合ったような不思議な世界です。

  •     秋山悠紀

    注文は食券制。お店に入ってすぐ横に券売機があります。とりあえず、喫茶店らしくコーヒーフロートを購入。

  •     秋山悠紀

    席はそれぞれ、浮世絵「東海道五十三次」の日本橋から京都までの宿場名になっているのがなんとも粋! 筆者は「江尻」に着席しました。

  •     秋山悠紀

    それぞれの席にあるバインダーに、食券を挟んで桶に入れて流します。店内奥にある厨房の方へと桶が流れていきました。

  •     秋山悠紀

    するといきなり、ピカッ!と江尻のランプが点灯! するとゆっくりとコーヒーフロートを乗せた桶がこちらに向かって流れてきました。初めて体験するシステムに、なんだか感動すらしています。

  •     秋山悠紀

    不思議なお店なので、料理もさぞ斜め上をいっているかと思いましたが、コーヒーフロートは優しい甘さで普通に美味しい。システムは奇抜ですが、味はしっかりとしたクオリティです。絶え間なく目の前を流れ続ける桶を見ながら味わうのも、また楽しい。返却も、空になった容器を桶に乗せて流せばOK。ちょっともう、全ての動作が楽しいんですけど!

  •     秋山悠紀

    店内にはところ狭しと昭和歌謡のレコードや今ではプレミアな価値がついてあるであろうゲーム機(しかも現役バリバリに動いている!)がディスプレイされており、さらに奥には大きなジュークボックスもあります。

  •     秋山悠紀

    ジュークボックスを生まれて初めて見た平成生まれの筆者。1曲かけてみようとするも、使い方が全くわかりません。

  •     秋山悠紀

    「使い方、わかります?」と店主の方が声をかけてくださいました。来店して初めてお店の方が出てきたのでビクビクしていると、「100円を入れて、かけたい曲の3ケタの数字をひとつずつ押していってね。100円で2曲選べるから」と優しく教えてくれる店主。なんだ、ちゃんとした優しいおじさんじゃないか……。

  •     秋山悠紀

    ということで、「テイク・オン・ミー」(a-ha)と「ラジオスターの悲劇」(バグルス)をリクエストします。最初のボタンを押すとバチっと音がして「最初の数字」、2番目の数字を押すとまた音がして「次の数字」と表示してくれます。ちゃんと押せたことを丁寧に教えてくれるジュークボックス。生まれて初めて、機械に温もりを感じました。

  •     秋山悠紀

    しばらくすると、「ズズチャチャズズチャチャ♪」と爆音で1曲目の「テイク・オン・ミー」がかかりました! ボリュームが結構デカいっ……! ただめちゃめちゃ音が良い。重低音が心地良く響きます。一気に昭和のディスコと化す店内。この日はたまたま筆者の他にお客さんはいませんでしたが、他に誰かいる場合にはその場の空気を読んで曲をリクエストしなければいけないのだと、ジュークボックスの醍醐味を知りました。

  •     秋山悠紀

    せっかくなので店主にお話を聞いてみることに。ここに置いているジュークボックスは、「おそらく日本ではうちにしかない型なんだよ」と、iPadを駆使して説明してくれました。さらに「昔は皆が列を作ってリクエストをしてたから、ジュークボックスだけで月に数万円の売り上げがあったね」とのこと。それでも今でも50代以上のお客さんは、このジュークボックスを目当てにお店を訪れているんだそうです。

  •     秋山悠紀

    人生初のジュークボックス体験に興奮していると、「見てみる?」と特別に中を開けてくださいました! リクエストするとレコードが重ねられた回転式ラベルが回り出し、指定されたレコードが引き抜かれて右側の盤に乗せられました。これだけでもなんかすごい格好良い!

  •     秋山悠紀

    そして「ジュークボックスの中も見たい!」というお客さんの要望が多かったため、改修して中が見えるようにしたそうです。リクエストしたレコードが実際に回っている様子も見られるのも素敵! リクエストできる曲は、店主の気まぐれで入れ替えをしているそうです。レコードは店主が昔から集めていたコレクションだけでなく、都内に買いに行くこともあるんだとか。

  •     秋山悠紀

    ちなみに、この桶が流れてくるシステムは「リバーカウンターシステム」と言って、昭和の喫茶店ではよく見られた光景なんだとか。「今ではうちと、埼玉の大宮に小さくこのシステムを構えたお店があるくらいなんだと」としみじみ話す店主。こんな楽しいお店は日本にはほとんど無くなってしまったと聞き、初めて来たのに急に愛おしさがこみ上げてきました。

  •     秋山悠紀

    リバーカウンター、ジュークボックスと、昭和の文化遺産がたくさん詰まっている喫茶店どんぐり。店主の話を聞いていたらなんだかもっと長居していたくなってしまったため、鮭とたらこの2色茶漬けを購入してさらにジュークボックスで「銀河鉄道999」(ゴダイゴ)と「ライディーン」(YMO)をリクエスト。シンセサイザーの爆音と優しいお茶漬けの味が体に染みます。ああ、お店がずっとなくならないことを祈ります。

  •     秋山悠紀

    一見するとド派手でカオスなB級スポットのようですが、居心地が良く、昭和レトロが好きな人にとっては楽園とも言えるこちらのお店。店主によると、意外にも観光客は少なく、地元の女子高生や家族連れ、老夫婦など老若男女が地元の喫茶店として気軽に利用しているそうです。皆さんも沼津に来たら、昭和レトロの楽園である喫茶店どんぐりに足を運んでみてください。