">     
 
    volume 12683
  • フランスのファッションの変遷を辿れる「ポーラ美術館」
    フランスのファッションの変遷を辿れる「ポーラ美術館」
    ポーラ美術館
  • 小山田滝音

    以前お届けした「岡田美術館」レポートに続きまして、(勝手なる)箱根の美術館巡りの第2弾として、今回記者は「ポーラ美術館」を訪れました!

  • 小山田滝音

    2002年9月に開館されたポーラ美術館。19世紀以降の西洋絵画や近代日本絵画を主な収集品とし展示するほか、陶磁器やガラスといった工芸品なども並べます。同館には、およそ840点の絵画や200点の日本近代陶磁器、790点のガラス工芸、6700点の化粧道具などを収蔵。西洋絵画のコレクションの中には、芸術家として歴史にその名を残したモネ、ルノワール、セザンヌ、ファン・ゴッホ、ピカソなどの作品もあります。

  • 小山田滝音

    そんなポーラ美術館では現在、「フランスの絵画と化粧道具、ファッションに見る美の近代」をテーマとした企画展「modern Beauty」が開催中。19世紀後半から20世紀前半までの「女性像」を展覧し、ファッションの流行を広めたというファッション・プレート、装飾品、化粧道具、ドレスなど計212点を並べます。ファッションの変遷をたどりながら、その背景にある社会的構造の変化を見てとれるというわけですね。

  • 小山田滝音

    余談ですが、箱根には多くの美術館が林立しています。「箱根美術館」に「箱根ガラスの森美術館」、「星の王子さまミュージアム」、「箱根ラリック美術館」などなど。その理由として諸説ありますが、美術鑑賞にふさわしい場所としてリラックスできる高原、すなわち箱根が良いのではと当時は考えられ、1969年に開館した「箱根彫刻の森美術館」がつくられたことが始まりなんだとか。高原といえば那須(栃木県)にも美術館は多いですよね。

  • 小山田滝音

    さて「modern Beauty」の入り口は地下1階。同展示は全4章にわけられているのですが、第1章から順々にご紹介していきますね。さっそく中へ入ってみましょう!

  • 小山田滝音

    第1章は「ファッションと近代性」。詩人であるボードレールとマラルメ、ファッション雑誌を中心に芸術たちをご紹介。19世紀半ばのフランスでは、産業革命によってさまざまな産業が発達し、繊維業もそのひとつでした。加えて印刷技術も右肩上がりの産業だったのですが、そんな中で1874年に「第1回印象派展」の開催。その流れでファッション雑誌『最新流行』が発刊されました。つまりこの時代、ファッションの流行の根源となる出来事が多々起きたのです。

  • 小山田滝音

    次に、第2章「近代性の表象」。

  • 小山田滝音

    ここでは「マネ、ルノワールと19世紀のファッション」をテーマにご紹介。当時、流行のファッションを身に着けた女性たちはみな「パリジェンヌ」と呼ばれ、「美」のモデルとして先にご紹介したファッション雑誌『最新流行』に取り上げられたそう。雑誌が流行の「発信」となると、ファッションは加速度的に変化していきそうですね。

  • 小山田滝音

    当時活躍した画家のマネやルノワールは、パリジェンヌたちにドレスや帽子、装飾品などを着用させて、美しく仕立てた彼女たちを作品にして残したそうです。写真左下は、当時流行したスタイルのドレス。詰め物や木、針金などで腰の部分を膨らませているのが特徴です。

  • 小山田滝音

    続きまして、第3章「生活と装飾」を紹介します。

  • 小山田滝音

    第3章のテーマは「ファッションと化粧」。この2つ、つまりファッションと化粧は、当時から女性の美を表現するものとして隣り合わせ的な存在として考えられてきたそうです。19世紀後半のフランスでは特に「化粧」を題材とした絵画が多く制作されたんだとか。

  • 小山田滝音

    そんな化粧について19世紀当時、上流階級の女性たちからは色白と自然な薄化粧(今でいうナチュラルメイクですかね?)が推奨されていたため、化粧をする人たちは、一部を除いて好奇な目で見られていたそう。しかし、20世紀には容認され、ファッションの一部として取り入れる人が増えていったんだとか。また、衛生面に対する意識も高まり、1880年代には入浴の習慣も生まれたんだそうですよ。

  • 小山田滝音

    最後に第4章「解放された身体」を。

  • 小山田滝音

    「世紀末から20世紀のファッション」のテーマのもと、絵画やドレスなどさまざまな“芸術”を展示。この時代になると、現代にかなり近い様相になってくるのがわかります。

  • 小山田滝音

    当時は、ウエストの細さが貴婦人の条件とされたそうで、コルセットを締めて優美な曲線(つまりS字ですね)を描くスタイルが流行したんだとか。しかし、動きにくく体が歪曲(わいきょく)するようなこともあったそう。大変だったんですね……。

  • 小山田滝音

    展示は以上になりますが、同美術館は作品を見て回るだけが楽しみではございませんよ。せっかく箱根まで来たからにはお土産もぜひ。特に「modern Beauty」展のグッズに注目。ここ「ミュージアムショップ」(地下1階)では「modern Beauty グラノーラ」(390円)や「マネのTシャツ」(4968円)などが販売されています。これらを愛用すれば、今日からあなたもポーラ美術館マニアの仲間入り!!

  • 小山田滝音

    ショップ以外にも地下1階にはカフェ「チューン」もあり、もちろんここでくつろぐこともできますが、1階にはレストラン「アレイ」もあります。さらに美術館の外に行けば箱根の自然と触れ合える「森の遊歩道」なんかもありますよ。もしかしたら一日中ここにいれちゃうかもしれませんね。

  • 小山田滝音

    いかがでしかたか? 今回ご紹介した「modern Beauty」展は9月4日まで。箱根は都心から日帰りで行ける距離でもありますので、もしよかったら次のお休みなんかにぜひ。そして箱根にお立ち寄りの際はポーラ美術館へ!! ファッションの流行の根源ともいえる、19世紀から20世紀にかけてのフランスの変遷を楽しんでみてください。